ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌の作り出す天然たんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬(商品名:ボトックス)を、筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があるため、注射した筋肉の緊張をやわらげる効果があります。また局所投与のため全身性の副作用はほとんどみられません。
効果は通常3~4か月持続し、徐々に消失します。
ボツリヌス療法(ボトックス)で治療できる病気
- 痙縮(けいしゅく):脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳・脊髄炎などが原因の手足のつっぱり
- 痙性斜頸(けいせいしゃけい):不随意的な頸部の動きや痛み、運動障害
- 眼瞼痙攣(がんけんけいれん):まぶたの痙攣
- 片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん):片側に起こる顔面の痙攣
- 腋窩多汗症(えきかたかんしょう):重度のワキの多汗症
腋窩多汗症に対するボトックス施注時には、
クリーム状の局所麻酔の使用が可能で、施注時の疼痛軽減が期待できます。
『手足の筋肉のつっぱりによる』このような症状はありませんか?
- わきが閉じたり、肘が曲がり、着替えに時間がかかる。
- 手首が曲がり、着替えるときに袖に手を通しにくい。
- 指が伸びずに爪を切りにくい。
- 手のひらを洗うのに苦労する。
- 歩いていると、腕が上がってくる。
- 手や足の関節がガクガクと震えて(クローヌス)、困る。
- 足がつっぱって、立ったときにフラフラする。
- 足がつっぱっていたり、つま先立って歩きにくい。
- 歩くとき、足の指が曲がって痛い。
- 足がねじれて、靴や装具が履きにくい。